THERE IS NO STAGE LIKE

PETIPA STAGE!  ★プチパほどすてきな舞台はない!★

                                               宝塚バウホール

2008年10月25日()18:00  26日()12:00/16:00


去年の今頃はシアターBRAVA!で「時空」公演の熱い舞台に浸っていたところでした。
その「時空」公演がきっかけで、洋あおいのPETIPA公演の出演が決まったそうです。
PETIPA主宰者の桐生のぼるさんのもと、どんな舞台になるのか、どんな“洋あおい”が引き出されるのか、とても公演が待たれました。


    第一部  HAPPY CRYSTAL   演出  桐生のぼるさん  脚本  谷口真実子さん 

開演前からストライプ博士(未央一さん)と弟子のマーブル(谷口真実子さん)の観客を交えての漫才が始まり、ストライプ博士の“なりきり術”は笑わせます。 和やかな雰囲気は舞台に繋がっていきます。

ところは魔法の国 そして今日は“シンデレラ記念日”。 王様女王様をはじめ、魔法使いの弟子たちが賑やかにお祝いのセレモニーに興じている最中、あるはずのガラスの靴が見当たらない!
シンデレラと王子が出会う為にも、お伽話の夢を守る為にもガラスの靴を探さなければならない。
ドジな魔法使い“マーブル”がネズミの“ピンク”とともに靴探しに時空を旅する、バラエティに富んだファンタジーでした。

マーブルたちはパープル(宝城さゆりさん)とバイオレット(鳩笛真希さん)の靴屋さんへ、
まさに(妖しい・怪しい・あやし〜い) おねえさま、お二人でした。

靴は足に履くのではなく頭に乗せるもの?モデルたちのファッションショーはカラフルなドレスにすてきな帽子、その帽子の上に華やかに飾られた靴は以外にも、とてもエレガントに見えます。

    
ガラスの靴はジャングルへ、靴を神様とあがめる色鮮やかな衣装の
ターコイズ酋長(未央一さん)とフェラガモ族。 奇妙にも大胆な踊りと、フェラガモ語に笑わせられました。


 マーブルとピンクはガラスの靴を追いかけ「氷の城」へ。 映像に写されたガラスの靴は溶けてしまい、時計は容赦なく時刻を打ち続け12時が迫ってくる。

群がる男たちをつれなくかわす美しく気位の高い彼女へのプレゼントはガラスの靴。すてきな男役さんが演じる“男”たちを次々に軽くいなしてツンとあごを上げる彼女、同じ女性としてけっこう気持ちのいい場面です。


ついに、ガラスの靴は悪い魔法使いシャドウ(洋あおい)の元に、黒い衣装のシャドウは高らかに
笑いながら映像の中から登場、艶のある低い声がとても魅力的に響きます。
ガラスの靴を手に“人々は魔法使いが仕組んだことなのに奇跡だと言う”と
怒りの言葉を吐き、マーブルを自らの弟子、影にしようと誘います。マーブル危うし、
しかし女王様から授かった魔法の言葉でシャドウは消え去り、無事ガラスの靴は
マーブルの手に戻ります。洋さんはお伽話の悪役をナルシスティックに、
ひたすらカッコよく、楽しんで演じている様にさえ見えました。



マーブルたちの大活躍で王子様とシンデレラはお伽話通りハッピーエンドを迎え、再び“シンデレラ記念日” を祝うことが出来ました。 舞台左右の大型プロジェクターの映像はファンタジーの世界を効果的に見せていました。






    第二部   REFRAIN     演出  桐生のぼるさん   脚本  谷口真実子さん

流れるようにピアノを弾くジャン(洋あおい)、微笑みながら聞くソフィア(桐生のぼるさん)。
穏やかに、幸せな時間が漂う部屋から物語は始まりました。



演奏会は大成功、更なる飛躍の為に間もなく演奏の旅に出るジャンは、直ぐに結婚式をあげようと提案します。
結婚式には仲間たちが集うが、ソフィアの指に未だ指輪がないことを指摘され、ジャンは旅先で指輪を買ってくることを約束します。ピアノの響きに心のすべてを託し、仲間の軽い冗談にも小さく傷付いてしまうような繊細なジャンをソフィアは包み込むような優しさで守っている、そんな様子が伝わってきます。









一人待つソフィアに船が沈没しジャンは死んだと悲報が入ります。しかし嘆き悲しむソフィアのもとに、なぞの男レイモン(谷口真実子さん)に導かれ記憶を失ったジャンが帰ってきます。
彼女のことさえ忘れピアノも弾けなくなったジャンにソフィアは変わらぬ優しさで愛し続けるが、そんな彼女にアラン(有希晃さん)はジャンを諦め、自分と幸せになろうとソフィアに言います。それを目撃したジャンの激しい怒りから微かに記憶が戻り始め・・・




冷たく無表情なレイモンの誘導にジャンは船が沈む時の混乱、叫び、沈んでゆく友人の姿を手繰り寄せる。 その時の恐ろしさ、嘆き、悲しみに混乱すろジャンは、まさに洋さんの独壇場です。
ついに自分はすでに死んでいることを知ります。

ソフィアを一人にすることは出来ない! と逡巡するジャンにレイモンは冷たく「ともにいたいのなら殺せ」とナイフを渡します。 記憶を取り戻したジャンはすべてをソフィアに話します。
「冷たい手」 「僕は海の底に眠っているんだ」 ジャンの身体の冷たさが伝わってきます。
「ジャンとずっと一緒にいたい」 「ソフィアを一人にはできない」 ソフィアにナイフをかざすジャン。
祈るソフィア。   殺せない!ナイフを手放すジャン。 拾上げ自分にナイフを向けるソフィアに思わずそれを振り払うジャン。
「生きていてほしい!」・・・約束の指輪をソフィアの指にそして祈るソフィアを背にジャンは去っていく。





穏やかに始まった舞台は、なぞの男レイモンの正体が明らかになる頃から一気に緊張感が増してきます。死の国の使者レイモンとジャンの冷たく研ぎ澄まされた応酬。ジャンとソフィアの愛するが故の葛藤。
振り上げられたナイフに目を閉じるソフィア
そして生きていてほしい!と別れを選ぶジャンの目の優しさ。去っていくジャンの背中の孤独感。
スモークの中で祈るソフィアの静かさ。舞台を漂うスモークは幻想的で、これはソフィアの心の中で起きたことなのか、本当にジャンは別れを言いにきてくれたのか。ただただ涙が止まらない。しばしの暗転がありがたかった。



SOMDAY

シンプルな黒のドレスで思いを込めて踊る3人の乙女。ジャンとソフィアの永遠の別れの悲しみを癒すようにソフィアの幸せを祈るように、優しく、優雅にそっと暖めてくれました。


YOUR SONG

洋さんは白地にシャープなラインの衣装でエルトンジョンの名曲 YOUR SONG を谷口真実子さんの訳詩で歌って下さいました。 「REFRAIN」のストーリーを思わせる歌詞と低音部の艶やかで温かい声、そしてすてきな笑顔で、ジャンとソフィアの悲しさは美しさに昇華していきます。
きっとソフィアのあの強さを秘めた優しさ、聡明さは必ずや穏やかな幸せを得られると確信させられました




BLACK&WHITE〜FEEDBACK

桐生のぼるさん、谷口真実子さん、ピンク役の鐘ヶ江まりのさん3人のテクノ風なダンス。
振りがトレンドな感じでファンキーな雰囲気もあり、面白く楽しくなります。


RUNNING

全員で踊る本当のフィナーレ。   洋さんが男役を従えて黒燕尾で登場、相変わらずキレのあるダンスに感動です。
元宝塚、元OSK、PETIPAの三位一体による公演は千秋楽に盛大な拍手と何回ものカーテンコール、そしてスタンディングオベーションと感動でした。



ステキな舞台を創ってくださった演出で主宰者の桐生のぼるさんに感謝致します。
また、洋さんのよいところを引き出すため、色々工夫をしてくださったと知りました。
脚本の谷口真実子さんもしかり、YOUR SONGの歌詞も伝わってくるものがありステキでした。
なによりも感動を、元気を、ありがとうございました。